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お米の力 ―薬効を高めるお米の炊き方―

動植物界に広く存在するアミノ酸―「ギャバ」―

 「ギャバ(GABA)」という言葉を聞いたことがありますか。正式名称は「γ―アミノ酪酸(ガンマーアミノらくさん)」といい、動植物界に広く存在するアミノ酸の一種で、とくに哺乳類では脳に多く存在しています。
 主な効能として、脳内の血の巡りを活発にして脳細胞を活性化する、血管を拡張して血圧を下げ安定するなどの働きが認められ、脚光を浴びている物質です。

血圧を下げ、脳の働きを高めて精神を安定させる「ギャバ」

 血管を広げる働きがあるギャバは血圧を下げ、安定させる働きを持っています。事実、ギャバを発生させたごはんを高血圧のネズミに3カ月間食べさせ続けた実験では、驚くほどに血圧が下がったとの報告が寄せられています(日本家政学会誌/1995年)。また、中性脂肪の増加を抑制するため、肥満を防ぎ、動脈硬化の予防にも効果があります。
 さらにギャバは人間の体の中では脳に存在し、神経細胞の興奮を抑える抑制性の神経伝達物質として重要な役割を果たしています。脳内のグルタミン酸の比率を抑える働きがあるので(グルタミン酸を多量に与えると神経細胞は死んでしまう)、脳の神経を安定させて精神を落ちつかせてくれます。パニック状態にある時に脳脊髄液を調べた所、ギャバが著しく減少していたとの実験報告もあり、今現在、精神安定剤などの薬にギャバの働きを強める成分が使用されています。
 脳内の血行を良くしたり、神経伝達を活発にするなどの働きにより、脳細胞の働きを活発にしてくれます。

お米の炊き方で「ギャバ」を増やす

 以上のようにギャバは体の機能に大きく関わる重要な物質ですが、あえてギャバを多く含有して売られている食品(サプリメントなど)を摂取しなくとも、日常の食生活の中で、ギャバの効能を効率よく取り入れる方法があります。
 それは、毎日食べるお米の炊き方です。
 ギャバは、発芽玄米に多く含まれていますが、胚芽米や玄米でも一晩水に漬けておくことで発生する物質です。米の胚芽は将来お米になる生命の源。この胚芽部分を数時間水に漬けておくと、胚芽にギャバが大量に増えることが発見されました。発見したのは広島県の農林水産省中国農業試験場の研究室で、この技術は国有特許となっています。
 お米を研いでからスイッチを入れるまでの水に漬けておく時間は、一晩が理想ですが、最低でも3時間は水に漬けておくと効果的です。水に漬けておく時間が長いほどギャバは多く発生し、水溶性のため水に溶け出ます。
 ギャバは生きたお米の酵素によって発生するものなので、残念ながら古米は効果が期待できません。また、白米よりも、胚芽部分を残している胚芽米や玄米の方がより効果的です。

現代人の食生活は、慢性的なビタミンB群不足

 今私たちの食生活は白米中心で、高たんぱく化しています。そのため、かつてはなかったビタミンB群の慢性的な不足状況にさらされています。米の胚芽部分にはビタミンB群が豊富に蓄えられているので、白米を食べるということは、このビタミンB群の摂取が減るということ。さらに高たんぱく質の食生活はビタミンB群を多く消費するので、結果、慢性的なB群不足の状態になっているのです。ビタミンB群は疲労を回復し、皮膚に潤いを与え生活習慣病の予防などに有効に働くビタミンです。ビタミンB1は「疲労回復のビタミン」、ビタミンB2は「発育ビタミン」「美容ビタミン」などの別名でも呼ばれています。

食生活をちょっと見直して、「ギャバ」を手に入れる

 米の胚芽部分にはビタミン類やミネラルが凝縮されており、さらに数時間水に漬けておくだけでギャバが発生します。毎日ごはんを食べる時に、胚芽部分が残った米を長時間水に漬けてから炊くだけで、脳がイキイキとして精神が安定する、血圧が下がり、動脈硬化の予防にもなる。こんなに体によいことが、食生活をちょっと見直すだけで手に入れることができるのです。

 1日3食の内、の1食を胚芽米や玄米に変えてみませんか。そしてたっぷり水につけてから炊いてみましょう。現在、様々な臨床データにより、1日に必要とされるギャバの量は10mgとされています。これは発芽玄米から取るなら、1日約6杯分に当たるといわれています。
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