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ファイトケミカルの威力 ―活性酸素(フリーラジカル)を無毒化する―

自分の身を守るために、植物自らが産出する物質

 ファイトケミカルという言葉をご存知ですか。
 ファイトケミカルとは果物や野菜に含まれる、栄養素以外の成分(非栄養素=機能性成分)のこと。ファイトとはギリシャ語の「植物(ファイト=Phyto)」、ケミカルは化学の意味で、「植物の持つ化学的な物質」とでもいえましょうか。
 動けない植物が、太陽の有害物質や外敵から自分の身を守るために自ら産出する物質で、私たちの体に入ると抗酸化力を発揮する優れものです。その抗酸化力は、体を酸化させる活性酸素(フリーラジカル)を無毒化して細胞を守り、酸化によって引き起こされるがんや老化を防ぐ効力を持っています。

体内に入った2%の酸素が活性酸素に変化する

 私たち人間は酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出し呼吸をしています。酸素は生命維持になくてはならない大切な要素ですが、残念ながら、体に入った酸素の約2%が活性酸素という細胞を酸化させる物質に変化します。酸素呼吸をしている動植物は、この活性酸素の脅威から逃れることはできません。できることは予防すること。その予防に有効に働いてくれるのが、活性酸素を無毒化するファイトケミカルの力なのです。

「第7の栄養素」

 私たちの体は、約60%の水分と40%の各種栄養成分で構成されています。水分を除いた残り40%は主としてたんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)で占められており、これら栄養素は私たちが生命を維持し、活動をする上で欠かすことのできない栄養素のため「三大栄養素」と呼ばれています。またエネルギー源にはなりませんが、体の栄養バランスを保つ上で欠かすことのできない各種ビタミン類とミネラル類(第4の栄養素と第5の栄養素)があり、さらに体内の掃除係として評価され「第6の栄養素」と呼ばれる食物センイがあります。
 今、脚光を浴びているファイトケミカルはそれら以外の成分として「第7の栄養素」と位置付けられているものです。

9割が野菜や果物に含まれる

 ファイトケミカルは体の免疫機能を調整して、多くの病気を予防することが解明されつつある成分で、その9割は野菜や果物など植物性食品に含まれています。色、香り、辛み、苦みなどの成分で、緑黄色野菜だけでなく、淡色野菜にも多く存在し、その種類は1万数千種類ともいわれています。
 代表的なものとして知られているのは、スイカやトマトの赤色成分であるリコピン、大豆のイソフラボン、にんにくのアリシン、緑黄食野菜のβーカロチン、ゴマのリグナン、赤ワインのポリフェノール、お茶のカテキンやタンニン…などでしょう。

長い年月での摂取が健康を左右する

 たんぱく質や脂質、炭水化物の不足は短期間で体調に変化をもたらしますが、ファイトケミカルは長い期間での摂取不足が体調に深刻な影響をもたらします。10年、20年という年月の中で、摂取している人としていない人とでは生活習慣病やがん、動脈硬化などの発症に差が現れてくると指摘されています。健康を維持するためにも、日頃の食生活の中で、賢くファイトケミカルを取り入れることが大切です。
 約1万数千種類あるといわれるファイトケミカルですが、現在発見されているのは約900種。ファイトケミカルは、これからどんどん発見されていく「発展途上の栄養素」なのです。
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