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味噌汁のススメ ―「実の三種は身の薬」―

 外国では「ミソスープ」として、日本人の長寿を支えてきた代表的な汁物として有名ですが、朝一杯の味噌汁を飲む習慣を持っている人は、果たしてどれくらいいるのでしょうか。朝はパンとコーヒーという人も多く、塩分が高いからと味噌汁を敬遠する人も多いのではないでしょうか。

ナトリウムを体外に排出する根菜類や海藻、きのこ

 味噌汁のうまみはしっかり取ったダシ。ダシがしっかり取れていれば、薄味でも美味な味噌汁を作ることができ、塩分を気にする必要はないといってもよいでしょう。
 事実、味噌汁一杯の塩分は約1.2g前後。ラーメンや塩鮭などに比べても決して多くはありません。さらに、具として入れる根菜類や緑黄色野菜にはカリウムが豊富に含まれており、食塩のナトリウムを体外に排出する働きを持っています。さらに野菜や海藻、きのこ類に含まれる食物センイが、ナトリウムを吸着して体への吸収を妨げてくれるため、塩分の量はますます減っているというのが現状でしょう。

「実の三種は身の薬」

 昔、母親は嫁ぐ娘に対して「実の三種は身の薬」と教えたといわれています。「実」とは味噌汁に入れる具のことで、「身」はそれを食べる人の健康のこと。「三種類以上の実を入れた味噌汁は、それを食べる人の健康の基になる」という意味で、家族の健康を願い、味噌汁の多彩な効能を娘に伝授したのです。
 味噌汁に入れる実は、旬の野菜であり、きのこであり、海藻などの海の幸。太陽の光を浴び、雨の恵みを受け、空気や風に育まれた食べ物で、ビタミンやミネラルの宝庫といっても過言ではありません。味噌汁に具をたくさん入れるほど、栄養効果が高まることを、昔の人は経験から知っていたのでしょう。

「御実御汁食(おみおつけ)」

 味噌汁は昔、「御実御汁食(おみおつけ)」とも呼ばれていました。「食(け)」は食の古代の呼び名で、「御実(おみ)」は具、「御汁(おつ)」は汁。「御汁」の上に「御実」がくるように、味噌汁は汁の上まで何種類もの具をたくさん入れるものでした。具のたくさん入った味噌汁は箸を立てても倒れず、そのため、味噌汁は飲むのではなく、食べるものと考えられていました。「御実御汁食」は、米と一緒に日本人の健康を支えてきた伝統食でした。

 「健康を作る長寿食」

  「味噌汁を飲む人は胃がんにかかる率が低い」と発表したのは国立がんセンターの平山博士。また、原爆が落とされた長崎で、味噌蔵にこもって毎日味噌を食べた人が後遺症もなかったという話は、「Nagasaki 1945」と報道され、味噌には放射能除去効果があるとして、チェルノブイリ事故当時のソ連に大量に流れたといわれています。
 味噌は発酵する過程でさまざまの物質が生み出され、それに伴って数々の機能も誕生し、単なる栄養価だけでは解明できない薬効を多く含んでいます。消化吸収に優れ、整腸効果が高く、老化を防いで脳の働きを高める…など等。それゆえに味噌は「健康を作る長寿食」と呼ばれているのです。
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