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味噌に含まれる主な成分
味噌の主原料は大豆です。「畑の肉」と呼ばれる大豆は良質なたんぱく質と脂質を豊富に含んでおり、さらに発酵過程で生まれた物質と一緒に、さまざまな機能成分を内蔵した食品に変化を遂げています。江戸時代に発行された『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』(1697年刊 人見必大(ひとみさだすく)著)には味噌の効能として①百薬の毒を排出する ②消化を助け、血の巡りをよくする ③食欲を引き出す ④嘔吐を抑え、腹下しを止める ⑤髪を黒くし皮膚を潤す などと書かれています。
発酵・熟成を経て生まれた味噌の優れた成分を紹介しましょう。

消化吸収に優れたアミノ酸、安定した脂肪酸
味噌の原料である大豆には、たんぱく質が35~45%、脂質が18~26%含まれています。この豊富なたんぱく質と脂質の質と含有量が、大豆が「畑の肉」と呼ばれる所以です。大豆たんぱく質は、味噌の発酵・熟成中に酵素の働きによってその約60%が水溶化され、約30%がアミノ酸に分解されるため、原料の大豆よりも栄養素の消化吸収に優れています。また脂質は良質な不飽和脂肪酸で、大豆の細胞膜に包まれているため分離や酸化が防がれ安定しているという特徴があります。
強い抗酸化作用を持ち、老化防止に働く
大豆に含まれるサポニンは、味噌になる過程でコウジ菌の働きにより、「病気を予防し、体調をコントロールする」という機能性がより一層高まります。この「みそサポニン」は、味噌の色素成分であるメラノイジンなどと一緒に老化防止に働きます。メラノイジンは味噌醸造中にできるアミノ酸と米麹の糖類によって起こるアミノカルボニル反応でできる褐色色素で、味噌の主役であり活性酸素を除去する強い抗酸化作用を持っています。魚介類に多く含まれるジメチルアミンやトリメチルアミンは、野菜の浅漬けの乳酸発酵寸前にできる亜硝酸と反応して、発がん物質を作るといわれていますが、メラノイジンは、これらの生成を抑制、吸着・排泄してがん予防に働きます。この働きには味噌に含まれている食物繊維も一役買っています。
記憶力を高めるレシチン
レシチンの主成分はホスファチジルコリンと呼ばれるリン脂質で、大豆や卵黄に多く含まれている成分です。大豆には100g中1480mgものレシチンが含まれており、体内に取り込まれると、肝臓で分解されてコリンとなり、血液中のコリン濃度を高めます。血液によってコリンは脳に運ばれ、記憶力を高める脳内の神経伝達物質アセチルコリンを増やします。つまり、レシチンはアセチルコリンの原料となり、結果、記憶力や学習能力の向上や物忘れなどの予防に有効に働きます。味噌には脳の新陳代謝に欠かせないアミノ酸組成に優れたたんぱく質と、ビタミンB群が豊富に含まれているため、より一層、頭の回転がよくなります。
女性ホルモンとして作用するイソフラボン
イソフラボンは別名「女性のホルモン」と呼ばれ、サポニンと同じ配糖体の仲間で大豆に多く含まれている成分です。大豆由来のイソフラボンであるデイジンやゲニスティンは、一種の女性ホルモンとして作用し、骨形成促進に働きます。60歳を過ぎた女性に多く見られる骨粗鬆症は、閉経による急激な女性ホルモン減少が要因といわれています。その時に女性ホルモン様に働くイソフラボンを摂取すると、骨が丈夫になり骨粗鬆症を予防することができます。また、イソフラボンは更年期障害等で起こる高血圧やコレステロールを抑制し、循環器疾患のリスクを軽減するといわれています。さらにイソフラボンには乳がん防止の効果があるといわれ、厚生労働省研究班の調査結果によると、イソフラボン1日25㎎を摂取する人は、同7㎎の人に比べて発生率が54%低かったと報告されています。
酒やタバコから身を守る
大豆タンパクには抗がん作用があり、胃がんに有効とのデータがあります。1986年、国立がんセンター研究所の平山雄所長が「毎日味噌汁を飲む人は、まったく飲まない人に比べて胃がんによる死亡率が30%も低い」というデータを発表しました。味噌には胃潰瘍予防作用もあり、また、アミノ酸はニコチンの害を防ぎ、肝臓の解毒作用を助ける効果があるため、味噌は酒やタバコの健康被害から身を守る働きに優れていると考えられます。
微生物が健康体を作る
熟成してから加熱処理をされていない味噌には、多種多様の微生物が存在しています。微生物は腸内で善玉菌を増やし、腸内の環境を整えて腸の機能を高めます。微生物が体内で有効に働くことによって、健康な体が作られます。
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