header
菊に含まれる主な成分

生薬としての菊の花は「菊花」と呼ばれ、『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』(中国最古の薬物学書)には、菊茶や菊酒を長く飲み続けると「体が軽くなり、長生きする」とその薬効が述べられています。中医学では主に解熱、鎮痛、消炎薬として風邪、めまいなどに利用されています。

菊は花そのもの、乾燥させたものなどがありますが、いずれもビタミンEを豊富に含み、ミネラル(カリウム、リン、カルシウムなど)やビタミンC、様々な薬効成分を含んでいることが解明されています。

ビタミンE
私たちの体内は老化に伴い脂肪の酸化が進み、過酸化脂質(コレステロールや中性脂肪などの脂質が酸化されたもの)が多くなるメカニズムになっていますが、ビタミンEは不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きと、過酸化脂質が多くなるのを防ぐ働きを持っています。また、ビタミンEが十分にあると、血液中の悪玉コレステロールを減らす働きを持つ不飽和脂肪酸の酸化が防げ、動脈硬化の予防につながります。血行の悪い人には不足がちのビタミンなので、補うと冷え性や低血圧などの予防に効果的です。古くなったり日光や熱によって酸化すると過酸化脂質になるので、ビタミンEを豊富に含む食品は、新しいものを使うと同時に、保存に気をつけることが大切です。

生理機能を整えるミネラル
菊にはカリウム、リン、カルシウムなどのミネラルが含まれています。ミネラルは三大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)のように生命維持に不可欠の成分ではありませんが、体の生理機能を整える上で欠かすことのできない成分です。必要量はわずかですが体内では合成することができないため食べ物から取ることが大切です。カリウムは主に小腸で吸収され、腎臓から排泄されるミネラルで欠乏すると脱力感や食欲不振などを起こし、ナトリウム同様に体液浸透圧に関与しているミネラルです。リンはカルシウムと結合して骨格などの硬組織を形成し、骨の強さや硬さに影響を与えるミネラル。カルシウムは体内に最も多く存在するミネラルで大部分は骨や歯に含まれ、不足すると骨や歯の成長に影響を及ぼすミネラルです。これらミネラルの働きが健康維持に働きます。

血管を強くし、抗酸化性を持つビタミンC
ビタミンCは毛細血管、歯や骨、軟骨や結合組織を強くする働きのある抗酸化性を持つ水溶性のビタミンです。免疫活動の主力である白血球の働きを強化する、コラーゲンの生成に欠かせない、発がん物質の生成抑制の効果があるなどの働きを持ち、発熱時や喫煙時には消耗が激しいので、十分に取ることが必要です。

発がんを抑制し、動脈硬化予防に働く
菊の花びらにはヘリアントリオールCとファラジオール、クロロゲン酸とイソクロロゲン酸などの成分が含まれていることが解明されています。ヘリアントリオールCとファラジオールは細胞の酸化を予防して発がんを抑制し、クロロゲン酸とイソクロロゲン酸は悪玉コレステロールを抑え動脈硬化などの生活習慣病の予防に働きます。コレステロール値の研究では1日100gの食用菊を2週間摂取したところ、総コレステロールが下がったとの実験結果も発表されています(山形県衛生研究所)。

グルタチオンが活性酸素を抑制する
菊には生体内のグルタチオンの産出を高める働きのあることが解明されています。グルタチオンとは3つ(グルタミン酸、システィン、グリシン)のアミノ酸が結合したトリペプチドで、解毒作用を持つ成分です。老化に伴い体内で増える活性酸素抑制に働き、健康長寿へとつながると指摘されています。

血圧低下に働く菊の花
日本では古来より菊の花は血圧を下げ、胃腸の働きを助け、目の疲れが取れると利用されてきました。事実、山形県衛生研究所の研究によると、ウサギに菊花のエキスを投与したところ体温や血圧が下がったとの報告がされています。また、大腸菌やチフス菌、緑膿菌などの成長抑制作用も報告されています。

footer